全身の健康のための
かみ合わせ治療

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全身の健康のための
かみ合わせ治療

全身の健康のための最も基本的なかみ合わせ治療は、あごのずれの是正治療です。暫間的な治療の方法として顎のずれの修正治療や調整治療などがあります。また、口腔内全体にわたる咬合の構成(あごのずれ・異常咀嚼を生じる不良補綴など)を根本的に治療し、全身の健康のための全顎にわたる歯列矯正を行います。

全身の健康のためのかみ合わせ治療を行うことによって、結果的に患者さんからスポーツ能力の向上や、学業成績の飛躍的な向上を得られたという喜びの声がよく聞かれます。なぜ、このようなことが起こるかは丸山咬合理論を考えると理解できることであり、脳科学的にも証明されていることです。

かみ合わせ治療

全身の健康のためのかみ合わせ治療の基本をなす考え方は、わたしが永年にわたってかみ合わせを正すこと(咬合治療)によって、いわゆる不定愁訴(原因不明の、肩こり・目まい・腰痛など体の不調を訴えること )が改善・消失することから確立されたものです。それらの内容は次のように分類できます。

不定愁訴不定愁訴

かみ合わせと脳の関係

「丸山咬合療法は、身体の姿勢や状態をよくすることによって、脳によい影響を与え、そして、良好になった脳が免疫系を含めた身体にも好影響を与える、というメカニズムになっているのではないか。だとすると、不定愁訴や腰痛、肩こり、内臓の不調の改善以外にも、癌を初めとする免疫関係のさまざまな疾患も効果があるだろうし、さらには、思考力や集中力、記憶力などの脳力の改善にも効果があるはずである。」

このような考察のもと、元北海道大学医学研究科高次脳機能学講座教授で世界的な脳科学者である澤口俊之先生と丸山名誉教授との共同研究が行われています。その一部として、全身健康咬合を与える前後で、脳活動にどのような変化が起きるかをファンクショナルMRIで調べ、次の結果が得られました。

かみ合わせと脳の関係
1.前頭連合野の能力の改善

頭連合野の機能・能力(人間性知性・超知性)

  • 将来に向けた展望・夢(未来志向性)、計画性
  • 理性(感情の制御)、自己制御、心の推測
  • 好奇心、探究心、意志力、集中力
  • 高度な思考力、問題解決能力、一般知能(IQg)
  • 主体性、独創性、創造性
2.脳老化の改善(脳の若返り)
3.前頭眼皮質の脳幹の活動の上昇によって免疫系・感情系の改善
4.身体への健康へつながる

うつ病などの精神疾患やアルツハイマー病などの予防・改善へ繋がります。

5.小脳の不活性化による筋の緊張の緩和、姿勢の改善
6.運動連合野においては、是正直後に不活性化が起こり、長期的には活性化が起きる

全身健康咬合

全身健康とは、「身体に対する良い下顎の位置(顎位)」になると考えられます。 自覚症状として訴える人もいればそうでない人もいますが、痛みや悩みを自覚している人は治療をお勧めします。

そうでない人の場合には、スタッフが患者様の状態を確認したり、話の中から関係しそうな症状や悩みをつかみ取り、下顎の位置(顎位)への治療を提案させて頂きます。

全身健康咬合
なぜ下顎がずれるのか?

直接的な原因

  • 歯科的な原因によるもの
  • かみ合わせの不具合
  • 現在の歯科治療の間違い
  • 頬杖や枕によるもの
  • むち打ち症の牽引治療によるもの
  • 全身の身体的な偏位から生じるもの

間接的な原因

  • 遺伝的要因
  • かみ合わせの不具合
  • 生活環境に関するもの

これらの諸要素への対応が悪いと下顎のズレが起こる原因となります。

全身の健康に良い下顎の位置(顎位)とは

下顎の位置(顎位)は、歯科的には従来の咬頭嵌合位、安静位、中心位、などいろいろ存在しています。丸山咬合学(全身健康咬合)は、あごの位置は歯や顎関節のような、あごや口の局所を対象にしたものではなく、全身との関係から下顎の位置と捉えたものです。この全身との関係を捉えた下顎の位置というものが、全身の健康と大きな関係を持っています。

丸山剛郎大阪大学名誉教授(日本咬合学会理事長)は、永年の研究と臨床経験から、全身の健康に関係する下顎の位置、すなわち「全身の健康にとって良い顎位」と言うものが存在することを明らかにし、これを「全身健康咬合」と名づけています。「全身の健康にとって良い顎位」は、身体全体の形態と身体の機能との調和から生まれるものである、と言うことが多くの研究から明らかになりました。すなわち、この下顎の位置は身体全体の形態と機能が調和のとれたものであり、その下顎の位置のもとでは、身体全体の健康が得られるものです。

下顎の位置

「生体の健康にとって悪い位置」と言うのは、身体全体の形態と機能が調和していません。すなわち、全体のバランスがとれていないものです。そのため、身体全体の形態を崩し、身体の様々な箇所に無理を生じ、破錠をきたすことになります。

例えば、顎は顎の関節を介して筋肉や靭帯で頭部に固定されぶら下がっているもののため、下顎の位置が正しくないと頭の位置のズレや傾きを生じます。頭の位置のズレや傾きはそれを支えている頚椎の配列形態(アライメント)の異常を生じさせることになります。頚椎の配列形態の異常は、その下部の胸椎、腰椎、仙椎へと広がり、脊椎全体の配列異常を生じさせます。そのため、姿勢が悪くなり身体全体のバランスを崩します。すなわち、身体の形態的偏位を生みこれが全身の様々な症状を生じさせます。正しい下顎の位置に是正することにより、生体の形態的偏位が修正され、不定愁訴が改善・消失し、健康が得られます。「生体の健康にとって悪い位置」は、身体の機能とも調和していないものです。下顎の位置が正しくないと身体の正常な機能を阻害し、内臓疾患をも含めた様々な症状を呈することになります。

下顎の位置が調和のとれた身体の形態と機能にとって極めて大きな意義を持っていることを認識して頂きたいと思います。たかが「下顎の位置」とあなどってはいけません。ズレた下顎の位置を「全身の健康に良い下顎の位置」へ是正すること(丸山咬合療法)によって、多くの病気(不定愁訴)が治ります。

検査と診断方法

まず、全身健康チャート(丸山剛郎大阪大学名誉教授が、患者さんの顎のズレを治すことによって、改善・消失した様々な症状の一覧)によって患者さんの全身健康状態が把握できたら、ついで丸山剛郎大阪大学名誉教授が永年にわたって考案・改定してきた「咬合と全身の健康・診査・診断チャート」に基づいて顎口腔系の詳細な診査を行い、続いて全身状態を診査します。

「全身健康 診査・診断チャート」にある様々な診査に基づいて、全身の健康にとってよい下顎位の診断を行います。正しく顎位の是正が行われたならば、これらの不定愁訴、特に種々の筋肉痛などは即座に改善されます。このことが逆にあごのズレの診断の正しさをも検証することになります。このようなあごのズレの是正のために考案されたのが、TM式(丸山式)バイトスティックです。

TM式(丸山式)バイトスティックとは、あごが様々な方向へズレていると診断された時、そのズレた顎を正しい位置に矯正し、保持するために用いるものです。このバイトスティックはあごのズレに対応して用いるようにその形や大きさには数種類のものが工夫されています。あごのズレに合わせて各種のバイトスティックを用いて診断に基づいて得られたあごの位置を正しい位置に保持します。あごが正しい位置になっているかどうかの確認は下記の4つから行うことができます。丸山咬合療法の大きな特徴は、TM式バイトスティックによって顎の位置を正しい位置に治すと、下記の4つのような現象が起こることです。これが他の咬合治療と異なるところです。

  • 顔貌、姿勢、身体の三軸(前後、左右、ねじれ)のズレなどが修正され、顔貌がよくなり、姿勢が改善され、身体の三軸のズレも是正されます。
  • 様々な不定愁訴が改善され、患者さんの訴える主たる症状が改善されたり消失したりします。
  • 筋触診によってみられた筋の硬直や疼痛が改善されます。
  • アプライドキネジオロジーによって下顎の位置が正しいことが検証されます。
下顎の位置を正すと・・・嬉しい6つの効果

身体的問題に対して

①筋肉に効く

  • 筋の硬直がとれる
  • 筋の前後左右のバランスが良くなる
  • 筋力がフルパワーになる(筋の最大筋力を発揮できる)

②血管系に効く

  • 筋の血流が良くなる
  • 心臓のポンプが強くなる
  • 筋の硬直がとれ血管の圧迫がなくなる

③神経系に効く

  • 筋肉に圧迫されているのがなくなり楽になる

脳関連症状に対して

①免疫系に効く

  • 免疫力の強化につながる

②自律神経系に効く

  • 自律神経失調症にも効く
  • 脳の若返りが起こる

③内分泌系に効く

  • ホルモンバランスが良くなる
  • 妊娠したり生理痛が良くなる
  • 血糖値が正常になる

治療方法

治療には、マンディブラー・フィキシング・アプライアンス(下顎位矯正装置)を用いて正しい下顎の位置を保持します。
その治療過程は次の通りです。

  1. 健康によい下顎の位置を診査・診断し、下顎をバイトスティックを用いて是正します。
  2. この是正された下顎の位置において、種々の症状が軽減・消失することを確認し、アプライドキネジオロジーにて検証します。
  3. この正しい下顎の位置を記録します(咬合採得)。
  4. MFAを製作し装着します。

MFA装着後、ほぼ月に1回、MFAの調整を行います。月1回調整を行わなければならないのは、MFA装着中においても、患者さんは元の下顎の位置へ無意識に下顎を戻そうとしてMFAを磨耗してしまい症状が再発してくるからです。

このような調整を繰り返し(平均6ヶ月)、MFAを調整しなくても症状の改善・消失がみられるようになれば治療は完了とされます。その獲得された顎位で、そのまま治療完了にする場合もありますが、その場合は、また元の位置に戻る可能性も考えられるので定期的に装置の調整が必要になります。

MFA

それ以外に、その獲得された顎位で、補綴治療、歯列矯正治療、また、リシェイピング(形態再付与)と言った治療方法があります。
最終的に獲得された顎位で、患者さんと共に治療方針を考え、患者さんが納得した上で治療に望むことが重要になります。

上記の方法を含んで丸山咬合療法における治療法としては様々な治療法があります。

1.咬合修正治療

下顎の位置がズレる原因になっているところを修正(リシェイピング)する方法です。
治療期間は短期ですがこの治療は限界がありますので、治らなければ是正治療に移行する必要があります。

2.咬合是正治療

上記の通り下顎を正しい位置に治療する根本的な治療です。治療期間は6~8ヶ月を目安にしています。

3.咬合矯正治療

下顎が正しい位置で歯列矯正を行うことです。
治療期間は歯列矯正の期間が状態によって変わるので先生と相談の上患者さんにはご説明下さい。

4.咬合構成治療

咬合是正治療によって獲得された下顎の位置において全顎的に補綴治療を行うことです。
治療期間は下顎の位置が決定してからできるだけ早く仕上げてあげることが必要です。

また、顎の位置のズレを正す事により脳の活動が効率化されそれによって身体が健康になると言う研究結果が発表されています。下顎の位置を正すことにより、全身では姿勢が改善し筋肉の硬直が無くなり筋肉のバランスが良くなります。また脳に対しては脳への血流が良くなります。脳への血流が良くなると脳に酸素が豊富に送り込まれることが出来るようになります。それによって前頭連合野の効率化が起こり、脳内ホルモンの分泌も正常化されます。

脳の中では、1つは前頭連合野に影響を及ぼすと言われ、もう1つは大脳の運動連合野と小脳に影響を及ぼすと言われています。ズレている下顎の位置を是正すると対社会的活動能力(社交性や人間を豊かにしたりする能力)をつかさどる前頭連合野の活動が効率的になり、それによって脳全体が無駄な働きをする必要がなくなります。そのため、脳は若返ると言われています。また、ズレている下顎の位置を正すと全身のバランスをつかさどる大脳の運動連合野と運動補正に関与する小脳が働かなくても良くなる(効率的になる)と言われています。

その後是正された下顎の位置を確保し続けると、脳内の運動連合野における新しいネットワークを作り始めます。これによって老人の身体の周囲の感覚を感じながらの手足の運動も良くなると最新の研究では言われています。
このように、下顎の位置を是正することは脳の活動によい影響を及ぼすため、下顎の位置がズレていると脳に対して悪影響を及ぼしていることになります。

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